分布・生育場所 |
科名:アカネ科属名:クチナシ属
和名:梔子/学名:Gardenia jasminoides Ellis f,grandiflora Makino
本州(静岡以西)、四国、九州(栽培もされる)の暖地の南斜面に自生
台湾、中国などに広く分布する
また、観賞用に本州以西の暖地に庭園で植栽。
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採集と調整 |
完熟した果実を、11月ころに霜が下りた後で採取し、数珠つなぎにして風通しのよいところで陰干しします。
クチナシの果実の乾燥したものを、生薬で山梔子(サンシシ)または梔子(シシ)といいます。
また、未熟の果実は色素含量が少なく、薬用には適しません。
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用い方 |
約5グラム〜10グラム(1個から2個)を水600ccから800ccの中に入れて弱火で15分から20分程煎じて
1日数回温めて服用します。
サンシシに含まれている注目の成分・・・
イリノイド配糖体・ゲニポサイド
カロチノイド色素
クロセチンほか
クチナシの果実の色は、カロチノイド系色素のクロシンによるもので、古く飛鳥、天平時代から黄色染料として布地の染色に、また無害の黄色着色料として、た
くあん漬けやお正月の栗きんとんなどの黄色の食品にも利用されていて、日本の生活に深く結びついた植物です。
栽培:栽培は容易にできて、繁殖も梅雨時期に若い枝をさし木にすれば簡単に増やすことができます。
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その他 |
古くに延喜(えんぎ・918)18年ころに深根輔仁(ふかねすけひと)があらわした日本で最古の植物名が記された書物の「本草和名(ほんぞうわみょう)」には、久知奈之(くちなし)として収載されています。
名の由来は、クチナシの果実が開裂しないので、クチナシ(口なし)から名付けられたといい、「大言海」には、「口無しの義、実熟すれども開かず」という記述がある
「樹木和名考(白井光太郎著)」には、「和名クチナシと名づけしは侘果(わびか)はからある物皆口をひらく、梔子はからあれども口無し。故に名づく」という記述がある
植物博士として知られる牧野富太郎の「牧野新日本植物図鑑」には、「クチナシの名は、口無しで、開裂しない果実に基ずく名と一般にはされているが、一説に
細かい種子のある果実をナシにみたて、それに宿存性のがくのあることをクチと呼び、クチを具えたナシの意味という。」
「一名センプクはセン萄のことで、この花をこの名でよぶと仏教の書物に出ている」という記述がある
クチナシは、観賞用として品種も多く、庭園によく見かけます。
薬用にはクチナシのほかにコクチナシや園芸品種の果実も同様に使用できます。また、ハナコクチナシのような八重咲きの品種は果実をつけません。
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