分布・生育場所 |
科名:ミカン科/属名:キンカン属 和名:金柑/別名:マルキンカン/生薬名:金橘(きんきつ)/学名:Fortunella japonica
和歌山、高知、宮崎、鹿児島などの暖地で栽培。
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採集と調整 |
生のままの果実を必要時に、水洗いして使用します。
キンカンを、刻んで乾燥したものを生薬(しょうやく)で、金橘(きんきつ)といいます。
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用い方 |
通常2リットルぐらいの容器に水約600mlを注ぎ、本品10〜15gを入れて弱火で加熱し、沸騰後約10分、弱火で煮だし、熱いうちにガーゼまたは茶こしでカスをこしてください。これをそのまま又は冷やして数回に分けてお茶代わりにお召し上がりください
キンカンに含まれている注目の成分・・・
ビタミンC、ビタミンE、
ポリフェノ−ル(ヘスペリジン)、
β−クリプトキサンチン
ペクチン
テルペン、
クエン酸など
キンカン酒:
キンカン500グラムをよく水洗いして、水を切り、切らずに丸ごと、グラニュー糖200グラムとともにホワイトリカー1.8リットルに漬けて、2ヶ月以
上、冷暗所に保存して熟成させます。
1日1回就寝前に、さかずき1杯を限度に飲みます。非常に口当たりがいいので、飲みすぎには注意が必要です。
また、漬けたキンカンは捨てずに、1日1個ずつそのまま食べます。
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その他 |
名前の由来は、熟した果実が金色の柑橘だからそのまま「キンカン」になりました。
キンカンは、中国原産で日本に渡来したのは、鎌倉時代末か室町時代初期ころの古い時代になり、日本産のように思われていました。
チェンベリーは、来日したときに、キンカンを見て、キトルス・ヤポニカと命名したということです。
キンカンは、ミカンの種類と考えられていましたが、キンカン類は、ミカンと比べると実が小さく、子房(しぼう)の室数が少なく、葉の葉脈(ようみゃく)が
不明瞭で、葉の成分には精油が含まれているなどの理由により、ミカン属から分離して、現在はキンカン属に分類されています。
日本で普通に栽培されているのは、ネイハキンカンとナガキンカンですが、一般的には、ナガキンカンをキンカンと呼んでいます。ナガキンカンに対して、果実
が丸みを帯びているものを、マルキンカンといい、キンカンとは区別をしています。
キンカンは、和歌山県、高知県、宮崎県、鹿児島県などの暖地で栽培が盛んに行われています。
また、ミカンは皮を捨てて果汁を食べますが、キンカンは皮つきのまま、砂糖漬けや砂糖煮、薬用酒や、薬用に用いています。
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