リンドウ科の2年草の草本で、草丈は5cmから40cmほど、花は5弁で白色または薄い紫色を呈し、9〜10月頃の開花期に採取し、乾燥して全草(花から根まで全部)を使用します。
センブリは日本固有の薬草で、昔からいわゆる民間薬として使用されてきました。漢字表記の「千振」とは“千回振り出し(煎じる)てもまだ苦い”ことからついた名であり、「当薬(とうやく)」は“当(まさ)に薬である”という意味です。この二つの言葉から、センブリが非常に苦く、かつ、とてもよく効く薬であることがわかります。産地は栽培品が長野県、高知県となっており、天然の採集品は東北地方で集められています。
三光丸ではセンブリを1日量(原生薬センブリの量として)0.9g使用していますが、昔から作られてきた多くの胃腸薬はオオバクエキスが主成分であり、センブリを使用しても0.05g程度のものがほとんどです。この点が三光丸の大きな特徴であり、効き目の秘訣といえるでしょう。
センブリの薬効成分は主に苦味配糖体(セコイリドイド配糖体)で、スウェルチアマリンが最も多く2〜4%、他にスエロサイド、ゲンチオピクロサイド、アマロゲンチン、アマロスエリンなどが含まれています。この中でアマロスエリンが最も苦味が強く、天然物で見いだされる最強の苦味物質のひとつです。
センブリの効能効果としては唾液および胃液、胆汁、膵液の分泌増加作用、中枢抑制作用、肝機能障害抑制作用などがあり、最近の研究ではピロリ菌の増殖を阻害するはたらきが報告されています。
また、センブリエキスには毛細血管拡張や皮膚細胞活性化が認められることから、育毛剤や化粧品としても利用されています。
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