ダイダイ
(ミカン科ミカン属:常緑小高木:樹高 〜5メートル:花期 〜6月)
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分布生育場所 |
科名:ミカン科/属名:ミカン属
和名:橙/生薬名:橙皮(とうひ)/枳実(きじつ)/学名:Citrus aurantium
ヒマラヤ地方原産
全国で正月の飾りや薬用などの目的で栽培
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見分け方・特徴
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常緑の小高木で高さ4〜5メートルになり、枝には刺(とげ)が多数あって非常に樹勢が強く、寒暖にも強いので樹齢が多いものが多数あります。
葉は卵形か卵状皮針(ひしん)形で長さ約10センチで、先は尖り縁(ふち)には小さい鋸歯(きょし)があります。
花は春に咲き白色大型で直径約4センチ、上端は半開か反転します。
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採集と調整 |
ダイダイは、果実の上下を切って4つわりにしてから、皮を取り天日で乾燥します。
これが生薬(しょうやく)の橙皮(とうひ)です。これを良く乾燥して粉末にします。
果肉を用いる場合には熟した果実を生(なま)のまま使います。
これとは別に未熟果実を半分に切り、乾燥したものを生薬で枳実(きじつ)といいます。
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薬効・用い方 |
橙皮(とうひ)は、自律神経の緊張を抑制して、痰(たん)を散らす作用があります。
胃腸が悪い場合の咳(せき)、胃弱者の胸脇痛、胃弱者の嘔吐、つわりに用います。
一般的には、食欲がない場合の健胃(けんい)剤として、橙皮(とうひ)末1〜2グラムを1回分量として1日3回食前に服用します。
ダイダイ、ウンシュウミカンの未熟果実を二つに切って乾燥したものを枳実(きじつ)といいます。
枳実(きじつ)には、リモネンなどの精油、ヘスペリジンなどのフラボン類を含みます。
これは薬理実験では、胃腸機能の興奮(こうふん)、子宮筋の収縮などがあります。
胃下垂には、枳実(きじつ)を1日量3〜9グラムを濃く煎じて1日3回毎日服用すると、胃の緊張を高め、腹部の膨満感が軽減されます。
急性胃腸炎、細菌性下痢などにも用いますが、この場合には症状により大黄(だいおう)、黄連(おうれん)、黄?(おうごん)、茯苓(ぶくりょう)、沢瀉(たくしゃ)などを選んで方剤として用います。
また、ふけや抜け毛防止には果肉をガーゼでしぼった汁や煮出した煎じ液を、地肌にすり込むようにしてつけます。
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その他 |
ダイダイは、インドのヒマラヤ地方の原産で古くに中国から渡来しました。
世界中で広く植栽されていてヨーロッパではサワーオレンジと言われて親しまれています。
ダイダイの類には果肉の酸味が強い酸橙(さんとう)類と甘みの強い甜橙(てんとう)類(ネーブル・オレンジの類)があり、日本でも各地で栽培されています。
また、スペインではダイダイの木の花からネロリ油を採るために多量に栽培されています。
ダイダイの果実は正月の飾りつけには、欠くことができないもので、ダイダイの名前の由来には、ダイダイの果皮が正月ころには黄金色になり、黄金(こがね)の意味を兼ねて、代々栄えるという意味から、玄関先に飾りつける風習があります。
ダイダイは、ヒマラヤ地方原産で、アラビアからイタリア方面に伝わった品種が、スタンダード・サワーオレンジと呼び
東方のインド・中国〜朝鮮、日本に渡来したものが、回青橙(かいせいとう)、臭橙(しゅうとう)と呼ぶ
日本に渡来した歴史は古く、田道間守が日本に持ち帰ったという、トキジクノカグノコノミとは、ダイダイ(橙)という
ダイダイの特性は、連年良く結実して、隔年結果性は少なく成熟果は落果しにくい
成熟果を採取しなければ、三代(3年)の果実が同じ樹の実ることから、代々(だいだい)の名の由来だという
また、木は強健で、耐寒性はきわめて強く、暑さや乾燥や過湿にも耐える性質があるので、気候風土に対する適応性は広い
果実は、球形〜扁球形、約250グラム、果面は濃橙色、果皮は厚く、やや苦味があり、酸味が強く甘味が少ないので生食には不向きで、食酢、マーマレードなどに加工される
ダイダイの品種
臭橙(しゅうとう):熟期12〜翌4月、果実約250グラム、普通に日本で多く栽培されている品種
回青橙(かいせいとう):熟期12〜翌4月、がく、果梗が著しく肥厚する品種
サワーオレンジ:熟期12〜翌4月、果実約180グラム、果皮、葉、花の香気がすぐれている |