ゲンノショウコ 現の証拠【第3類医薬品】の特徴
ゲンノショウコ末
現の証拠

第3類医薬品
500g 4,200円 税込4620円 ご注文

ゲンノショウコ      (フウロソウ科フウロソウ属:多年草:草丈 〜70センチ:花期 〜10月)

薬効
下痢 小便不利 血の道、更年期障害 冷え症 便秘
         
分布生育場所

科名:フウロソウ科/属名:フウロソウ属
和名:現の証拠/学名:Geranium thunbergii
日本全土の山野、道端に普通に見られる多年草。

富山医科薬科大学薬学部付属薬用植物園のネパールゲンノショウコ
ゲンノショウコの白花、ゲンノショウコの赤花、ゲンノショウコのピンク花
フウロソウ科フウロソウ属の高山植物ハクサンフウロ

見分け方・特徴

ゲンノショウコは、茎の大部分は地をはい、草全体に下向きの毛が生えています。葉は長柄があり対生、形は掌状に3〜5深裂、巾3〜7センチ程です。裂片は先の方で3裂し、形は倒卵形をしています。
葉縁は鋸歯状、葉質は柔らかです。
花は夏から秋にかけて、枝先および葉の脇より長い花軸を出して2〜3個つけます。色は白から赤色と一様ではありません。花は5弁で赤い筋があり、がく片5、雄しべ10です。
北日本のゲンノショウコの花は、白色花が多いようです。


採集と調整
夏の開花期(7〜8月頃)に全草を抜き取り、根を除いた地上部を天日で乾燥させます。道端での採取の場合は、泥をよく洗い落とす必要があります。

ゲンノショウコの若い時の葉は、キンポウゲ類やトリカブトの有毒植物に非常によく似ているので要注意が必要です。夏の開花期に採取すると花で確認ができます。

ゲンノショウコは、センブリ、ドクダミなどとともに日本の民間薬の代表的なものです。

薬効・用い方
ゲンノショウコは、飲みすぎても便秘・下痢などの副作用がなく、優れた健胃整腸剤といえます。
食中り、下痢、慢性の胃腸病、便秘に効き目があり、煎じる場合は、時間をかけて十分煎じる必要があります。
下痢止めに1日量20グラムに、水0.5リットルを加えて、煎じながら約半量まで煮詰めたものをこして、温かくし、適宜2回に分けて服用します。
胃腸の弱い人は、お茶代わりに飲んでもよく、利尿の目的で使用するときは、10〜15グラムを1日量として、0.5リットルの水を加えて、5〜10分煎じ、3回に分けて食間に服用します。
高血圧予防には、ゲンノショウコ10グラム、ドクダミ10グラム、決明子(けつめいし)を少し炒ったもの5グラムを土瓶などで煎じて、お茶代わりに飲むとよく効くとされます。
しぶり腹、冷え性、婦人の血の道には、ゲンノショウコ風呂(ゲンノショウコ100グラムとヨモギ100グラム)を用います。

薬効を示す主な成分は、タンニンでゲンノショウコの仲間のイチゲフウロ、タチフウロ、コフウロ、シコクフウロ、アメリカフウロ、ヒメフウロなどは、ほとんどゲンノショウコと同じ目的で用います。
中国のゲンノショウコの仲間である老鶴草(ろうかくそう)は、全草を筋骨増強、リューマチ、解熱、はれものに煎じて用いています。

その他
ゲンノショウコの名前の由来は、古くから下痢止めの妙薬とされていて、古くの書に小野蘭山(おのらんざん)が記述した「本草網目啓蒙(ほんぞうこうもくけいもう・1803)」には「根苗ともに粉末にして一味用いて痢疾を療するに効あり、故にゲンノショウコと言う」という記述があります。そのことから「現に良く効く証拠」に由来しています。

古くから夏の土用の丑(うし)の日ころになると薬草採りが行われたものです。
民間薬として用いられる薬草の多くは、全草の地上部の茎葉花が主なものですが、これは漢方薬に用いられる生薬が根茎が主体であるのと違います。
地上部を薬草に用いる場合には、最も成分が多く含まれて勢いのよい、植物自体の全盛期が基本的な考え方になります。それが、開花期の土用の丑の日ころになり、一年分の薬草をこの時期に採取するのです。

ゲンノショウコは、日本の民間薬の代表で、貝原益軒(かいばらえきけん)が記述した、「大和本草(やまとほんぞう・1708)」には本草綱目772種、中国の本草書より203種、日本固有のもの358種、その他を含めて1362種の薬草が収載されていますが、そのなかでゲンノショウコは「陰干しにして粉末にし、湯にて服す。能く痢を冶す。赤痢に尤も可也。また煎じても或は細末にし丸薬として皆効果がある。本草には此功能をのせず。本草は毒草類にのせたり。然れども毒なしという。一度植えれば繁殖し除き難い」と記述されています。