ガジュツ末 別名(ホウガジュツ・紫ウコン
ウコン末
500g 2,600円 税込2,808円 ご注文

ガジュツ               (ショウガ科ウコン属:多年草:草丈 〜 センチ:花期 〜 月)

薬効
消化不良 製薬原料 胃のもたれ 駆風(くふう)
分布生育場所

科名:ショウガ科/属名:ウコン属
和名:莪朮(がじゅつ)/生薬名:莪朮(がじゅつ)/学名:Curcuma zedoaria
インド、ヒマラヤ地方の熱帯地方が原産
沖縄、鹿児島県南部に自生及び栽培

見分け方・特徴

草丈約50〜100センチで偽茎は短く太く肥厚し、ショウガに似ています。
葉は、数枚が2列に接近して互生、長柄があり長楕円形で先は尖り、中肋(ちゅうろく)が太く、側脈は隆起し、葉脈に沿って紫紅色のすじがあります。
晩春から初夏に茎頂の葉の間から長さ約20センチの花穂を出し、花穂には多くの包葉があり、包葉は淡緑色で上の方のものは先が淡紅色、淡黄色です。
根茎は肥大して、直径5〜7センチの卵球形で輪状の節があり、左右に4〜5本ずつ出ます。
根茎には大きなひげ根があり、ときに根の先の方が肥大して肥大根となることがあり、根茎の内部は白色です。

採集と調整
晩秋に根茎を採取して、湯通しして陰干にして乾燥させます。または、輪切りにして陰干しにして乾燥させます。
これを生薬(しょうやく)で、莪朮(がじゅつ)といいます。

薬効・用い方
莪朮(がじゅつ)は、シネオールなどの精油を含有して製薬原料として用いられます。

民間では、莪朮(がじゅつ)は、胃のもたれ、消化不良、駆風(くふう・胃腸のガスを排出)などに、1日量6〜10グラムを適量の水で煎じて服用します。

湯浴料には、葉を刻んで陰干しにして、腰痛、肩こり、疲労回復などに用います。

若芽の芯(しん)は、野菜として食用に、また、根茎(こんけい)から、デンプンが採れます。

ウコン:黄色素クルクミンを0.3%も含み、その他精油は1〜5%です。クルクミンおよび鬱金(うこん)の煎じ液には胆汁分泌促進作用があり、精油には胆道結石を治す作用があります。

ハルウコン:開花期が晩春で淡赤紫色、葉の裏がビロード状の繊毛、根茎を折ると黄色。クルクミンの含有量はウコンの約10分の1程度で医薬品原料の規格には収載されていない。

ガジュツ:花は赤紫色。クルクミンの含有しない。芳香性健胃として鎮痛、駆風、通経、利胆に応用。医薬品原料として収載。

その他
インド、ヒマラヤ地方の熱帯地方が原産で、日本に渡来したのは、享保年間(1716〜1736)に薬用として栽培されました。

名前の由来は、漢名の莪朮(がじゅつ)をそのまま、音読みにして、ガジュツになりました。
また、ウコンの近縁種であり、ガジュツの根茎が白いことから、シロウコンという別名もありますが、薬効はまったく異なります。

莪述(ガジュツ)は、芳香・辛味・苦味・清涼感が特徴の熱帯アジアを原産とするショウガ科植物の根茎です。
中国明時代の生薬研究の書「本草綱目」(1590年)にも収載され、古来より珍重されてきました。

わが国への渡来の歴史ははっきりしませんが、関ヶ原の戦いで猛将としてその名を馳せた薩摩藩主島津義弘公が、1603年(慶長8年)種子島家の十六代当主種子島久時公にガジュツの薬方を伝授したとの記録1)があり、江戸時代から鹿児島県屋久島・種子島地方で民間薬(注) 2)として伝承されました。そして、明治に至るまで種子島・屋久島の重要な産物(御禁制品)として扱われていました。

(注)民間薬:医療の専門家ではない庶民の間に伝承されてきた薬のことで、概して一種類の生薬からなり、用法・用量の詳細が決まっていない。

引用文献 1) 種子島家譜:鹿児島県資料旧記雑録拾遺 1603.
2) 種子島家伝:秘薬方 (伝・江戸末期)