よく聞く痛風の痛みは、正確に言うと「痛風発作」という発作のことを指します。痛風発作とは、痛風関節炎とも言われ、尿酸の結晶が関節に沈着することで起こり、ある日突然腫れと激痛を起こします。前日まで何も症状がなくても突然やって来るのが痛風発作です。
痛風について |
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「痛風の原因と対処法」 |
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痛風の初期症状 よく聞く痛風の痛みは、正確に言うと「痛風発作」という発作のことを指します。痛風発作とは、痛風関節炎とも言われ、尿酸の結晶が関節に沈着することで起こり、ある日突然腫れと激痛を起こします。前日まで何も症状がなくても突然やって来るのが痛風発作です。 |
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症状の特徴 とにかく激痛 赤く腫れている 熱を持っている 歩けなかったり、仕事も手につかない程の痛みが襲いかかるため、なってからでは遅いのです。 |
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関節炎の起こりやすい場所 足の親指の付け根(最も多い) 足首 足の甲 膝 手首 ひじ 足が多く、痛みが起きるのは一度に一ヵ所だけで、複数起きることはあまりありません。 |
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痛風は女性はならないって本当? 95%は男性で、女性は痛風になりにくいと言われています。女性ホルモンには尿酸を排泄する働きがあることから、患者数は男性が多いと考えられます。 |
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自分でできる発症時の対処法 温めたり、もんだりすると逆効果。無理に歩き回るのも禁物です。 患部を心臓より高い位置に置き固定 患部を冷やす 家にある痛め止めを飲む(バファリンやイブなど飲んだことのある薬が安心) |
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痛みはどの程度でおさまる? 1〜2週間程度で治りますが、根元にある高尿酸血症を放っておくと発作を繰り返すので、治療を継続することをおすすめします。 |
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痛風は再発する? 発作を治すために、飲み薬で尿酸値を下げる治療と、生活習慣の見直しを行いますが、その2つを継続的に続けていれば再発しにくくなります。しかし、大抵の人は痛みがなくなったと同時にやめてしまう方が多く、痛風以前の生活に戻る方は再発しやすいです。 |
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痛風になりやすい人 仕事命の熱血タイプ 不規則的な仕事スタイル(記者など多い) 激しい運動を好む 肥満 早食い、大食い 飲酒が好き(特にビールが好き) 魚卵系や油っぽい食べ物が好き 尿酸値が高い人(7.0mg/dL以上) 身内に痛風の人がいる |
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尿酸値が高い人必見 尿酸値が7.0mg/dLを超えたら「高尿酸血症」と呼び、痛風をはじめとした様々な合併症の黄信号です。
痛風発作がないからといって油断していると危険です。他の病気になる可能性も考えておきましょう。 |
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痛風になった人がなりやすい病気 腎障害(慢性腎不全など腎機能の低下) 痛風結節 尿管結石 高尿酸血症の状態が続くと、尿酸の血症が身体のあちこちに沈着しはじめ、痛風発作をはじめとする様々な症状を引き起こします。 |
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まだ間に合う!痛風&尿酸値を下げる対策 食事の量を抑えて、体重を落とす
アルコールを減らす尿酸値を上げない1日の飲酒量の目安 ビール:500mL 焼酎25度:90mL ウィスキーもしくはブランデー40度:60mL 日本酒:180mL ワイン:180mL アルコールが増えると摂取エネルギーも増える上に、痛風のリスクも高まります。量を考えて飲みましょう。 水分を摂る1日2Lを目安に積極的に水分を摂る 適度な有酸素運動ウォーキングのような軽い有酸素運動を継続して行うのが効果的 ストレス発散痛風になる人は、せっかちで行動的な人が多いと言われています。早食いに大食いで、仕事はバリバリこなし、プライベートもじっとしていない等。こうしたタイプの方は、ストレス発散法を飲食や過食にせず、十分な睡眠、適度な運動など、体に優しい自分なりのストレス解消法を見つけてください。のんびりリラックスを心がけましょう。 |
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尿酸とは | |
尿酸はプリン体の代謝産物 |
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尿酸とは,「プリン体」という物質が体内で分解されてできる燃えカスです。プリン体は運動したり臓器を動かしたりするためのエネルギー物質で,常に体内で作られています。また,私たちの細胞には遺伝情報を伝える役割を持つ核酸という物質がありますが,核酸の構成成分もプリン体ですので古くなった細胞を分解する新陳代謝の過程でこの核酸からプリン体が出てきます。プリン体は細胞の中にあるものですから,動物・植物いずれの食品からも体内に入ります。これらのプリン体は主に肝臓で分解され尿酸となり,一時的に体内に溜め込まれた後,尿や便として排泄されます。 | |
尿酸の増える原因で3タイプに分かれる高尿酸血症 |
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1日に体内で産生される尿酸はおよそ700mgです。1日で排泄される量も700mgなので,体内の尿酸は常に一定の量(健康成人男性の場合およそ1,200mg)に保たれています。これを「尿酸プール」と呼びます。 体内での尿酸の収支が合わず黒字になってしまうと,尿酸プールが溢れ1デシリットル当たりの血液中の尿酸(尿酸値)が溶解限界の7.0mgを超えます。これが痛風の原因である「高尿酸血症」です。黒字の原因別に次の3タイプに分かれます。 |
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尿酸値はどれくらい下げればいいの? |
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尿酸値をどのくらいにすれば痛風を予防できる?痛風発作を起こしたことのある人が再発を予防するためには,尿酸値を6.0mg/dL以下に抑える必要があります。尿酸の血中濃度を下げないと,関節内に溜まった尿酸塩結晶が溶けないからです。一方,痛風未経験者が目標とすべき尿酸値は明確には定まっていません。しかし,尿酸値が7.0→8.0→9.0mg/dLと上がるにつれて痛風発症リスクが高まるのは確かですし,他の合併症にもかかりやすくなります。健康診断で「尿酸値が高い」と言われたら,すぐに医師に相談しましょう。 |
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痛風の治療・予防のコツ |
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痛風発作の痛みを抑えてから高尿酸血症の治療へ痛風発作が起こってしまったら,尿酸値を下げる尿酸降下薬は使わず痛風発作治療薬で患部の痛みや腫れを取り除きます※。発作が治まったら痛風の原因である高尿酸血症に対する治療を始めます。生活習慣を改善しつつ尿酸降下薬を少量から使い始め,徐々に尿酸値を下げていきます。この時,尿酸が尿路で結晶化して石になるのを防ぐ尿アルカリ化薬を併用することもあります。生活習慣の改善は治療の基本ですので,薬物治療で尿酸値が下がったからといって怠ってはいけません。 ※既に尿酸降下薬を飲んでいて痛風発作が起こった場合,お薬はやめずそのまま飲み続けてください。 |
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生活習慣の改善が最も大切な痛風予防法です
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痛風の検査と治療 |
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痛風発作を起こしていない痛風予備群の人は、血液検査で「尿酸値」、尿検査で「尿中尿酸濃度」を計測します。これらは「高尿酸血症」を診断するうえで重要な検査です。また、高血圧、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病や狭心症・脂肪肝などの合併症のチェックを行います。血糖・脂質・腎機能・肝機能などを調べ、心電図や内臓の超音波検査も行います。他の生活習慣病や合併症がなければ治療は「生活指導」、食事療法・飲酒制限・運動の推奨が中心となります。 | |
一方で痛風発作を起こした人は「血液検査」「尿検査」にくわえ、「X線検査」を行います。痛風に似た症状の偽痛風、変形性関節症などとの鑑別をする必要があるからです。そして、痛風であることがわかったら、尿酸クリアランス検査が行われます。これは尿酸が増える原因と腎機能を調べる検査です。これによって「尿酸をできにくくする薬」か「尿酸の排せつを促す薬」のどちらを選択するかを決めます。また、痛風発作を起こしている場合には尿酸値を下げる薬を使わずに、発作を抑える薬を服用します。発作を抑える薬は非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)で、痛みがなくなるまで服用します。腎障害などでNSAIDsが使えないときには、副腎皮質ステロイド薬を使用します。痛風発作の前触れに気付いたときには、未然に発作を防ぐ事ができるコルヒチンという薬を服用します。 尿酸値6.0mg/dL以下を長期間維持できれば、関節に溜まった尿酸は徐々に分解されて、溶けてしまうと考えられています。このように痛風は治ることが期待できる病気なのです。 |
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