生薬・漢方薬・民間薬の違い

生薬

植物、動物、鉱物などの天然物を加工して作った薬

生薬は「しょうやく」と読みます。

生薬とは、植物、動物の全体または部分、あるいは鉱物などの天然物に乾燥などの簡単な加工をして作った薬のことです。

漢方で使われることが多いですが、一部の生薬は西洋医学や民間薬でも用いられます。

漢方薬

複数の生薬を組み合わせて作った薬

漢方薬は、通常、複数の生薬を組み合わせてその処方に名前が付けられています。

漢方薬A=生薬@+生薬A+生薬B+・・・

漢方理論に基づいて使う

漢方薬の説明書の効能欄を見ると、「体力中等度以下で〜」「冷え性で、〇〇の症状があるもの」など独特の表現で書かれています。

実際にはこれらの記載されている症状に加えて、舌証や脈証など様々な情報から「証」を導き出し、証に基づいて処方を決めます。
(証とは、体質や病気の具合を簡単に一言でまとめたものです)

このように独自の漢方理論に基づいて処方を決定することが漢方薬の特徴です。

民間薬

薬草単独で使うことが多い

民間薬は伝統的に庶民の間で言い伝えられてきた薬で、通常、1種類の薬用植物や生薬を使うことが多いです。

ある特定の症状に対して用いる

理論的背景や体系化がなく、症状をおおざっぱにとらえて用いることが多いです。

まとめ

・生薬は植物、動物、鉱物などの天然物を加工して作った薬のことです。生薬を飲めばなんでも漢方薬ということではなく、西洋医学でも民間薬でも使われています。

・漢方薬は生薬を組み合わせたもので、漢方の理論に基づいて使用します。

・民間薬は、理論的背景や体系化がなく、症状をおおざっぱにとらえて用います。

【参考書籍:パートナー生薬学 南江堂】