伝承薬として長い歴史を持つ高麗人蔘は「白蔘」(ハクジン)と「紅蔘」(コウジン)に大別され、多くの場合、4年根は白蔘、6年根は紅蔘に調整加工され ます。高麗人蔘は、毎年秋が深まると地上部分は枯れてしまい、土の中で根だけが冬を越します。翌春、芽を吹いてきた枝葉は、年を重ねるごとに葉柄の数が一 本ずつ増えていき、2年根で二本、3年根で三本、4年根で四本というように増えて、6年根では六本の葉柄になります。葉柄は、六年目以上は増えませんが、 太陽光を効率良く受け、同時に葉が重ならないような茂り方は、葉柄六本が最高です。高麗人蔘はこの時、生長のピークを迎え、「土の力」を極限まで吸収・蓄 積し、高麗人蔘として最も充実した状態となります。6年間、人蔘を栽培した土地(畑)は、6〜15年間休ませなければ次の栽培が行なえないほど「土の力」を吸収されて疲弊するため、 6年根(紅蔘)を栽培するには、「正官庄」を製造している韓国人蔘公社のように国からの資金援助なくしては到底困難なため、一般では白蔘(4年根)で製品 化する場合が圧倒的に多いようです。

紅蔘(6年根)と白蔘(4年根)の違い
  紅蔘(6年根) 白蔘(4年根)
栽培者
(エリア)
主として韓国政府と契約した農家で栽培。
(北緯38度〜ソウルにかけて)
民間農家で自由栽培。
(6年根紅蔘畑エリアより南のエリア)
主な加工調整と
最終製品
皮付きのまま蒸し、後に乾燥

周皮を剥いてそのまま乾燥

成分特徴 ジンセノサイド(サポニン)の種類も量も充実。糖質は少な目。蒸しているため、消化吸収にすぐれている 糖質が多く、ジンセノサイド量は増加途上。周皮を剥いているため、周皮に多いサポニン量に損失あり。

 紅蔘(6年根)に含まれている成分の代表は、サポニンですが、高麗人蔘では、1965年に高麗人蔘のサポニンが10種類あることを発見した日本の柴田承 ニ博士が、学名にちなんでジンセノサイドと命名しました。この時、薄層クロマトグラフィーという分析方法によって展開された順に、ジンセノサイドRa、 Rb1、 Rc、Rd、Re、Rf、Rg1、Rg2、Rg3、Rh1、と命名したものが、現在の高麗人蔘のサポニン(ジンセノサイド)の呼び名の基礎になっています。
 その後、ジンセノサイドの研究がすすみ、高麗人蔘には30種類以上のジンセノサイドの存在が確認されています。1種類ごとに異なる働きを持つジンセノサイドは体内で協力しあい、補完しあって健康維持増進に役立っています。

紅参6年根その他の成分
  • アルギニン誘導体
  • 酸性多糖体
  • アデノシン、ピログルタミン酸
  • パナキシトリオール
  • 精油成分(セスキテルペンなど)
  • アミノ酸
  • 有機酸(フマール酸、コハク酸、マレイン酸、リンゴ酸など)
  • ミネラル(カリウム、カルシウム、マグネシウム、マンガンなど)
  • ビタミン類
  • オリゴ糖