ツボ押しは肩こりに効果的なのか、まずはツボについて全般的な解説をします。
ツボの刺激は、数千年の歴史がある東洋医学に基づく療法のひとつです。現在では世界保健機関(WHO)が全身にあるツボの位置と名称を統一していて、その数は361カ所。それに含まれないものもあるので、全部で400を超えるとも言われます。
東洋医学では、体の中には心身機能を保つためのエネルギー=気が巡っていると考えます。そのエネルギーが巡る経路を「経絡(けいらく)」と言い、ツボとは、その経絡に沿って並んでいる体表面のポイントです。正式には「経穴(けいけつ)」と呼びます。
これらの経穴、つまりツボを刺激すると、経絡の流れが良くなって、さまざまな症状が改善すると考えられています。実際、皮膚に近い部分の神経と体内に広がっている神経はつながっているため、ツボを刺激することで体の中にまで作用が及ぶ可能性があり、その結果、血流が良くなって筋肉のはりやこりが和らぐと理解されています。なお、一部のツボは経絡から離れた場所にあります。
ツボ押しで対処できない肩こりもある
肩こりの中には、ツボ押しでは対処できないものもあるので注意しましょう。
先に述べたように、整形外科的な疾患以外の理由で肩こりが生じることがあります。たとえば、高血圧や狭心症、自律神経失調症、ストレス、メニエール病、眼精疲労、緑内障などです。顎関節症(あごの病気)に至っては、半数以上で肩こりが認められると報告されています。
これらのケースでは、ツボ押しで症状が良くなるか否かにかかわらず、医師のもとでの治療が必要です。
ツボの押し方、探し方
ツボの押し方
ツボは指(指の腹)で押すのが基本です。指以外には、爪楊枝を束ねてトントンと軽く刺激したり、ペットボトルの底の角で押したりするのも良いでしょう。ペットボトルの中にお湯を入れると、温かさも加わって気持ち良さがアップします。
強さについては、気持ち良いと感じる程度から、多少痛いと感じる程度の範囲が適切です。押すタイミングは入浴後の血行が良くなっている時間帯や就寝前などがおすすめですが、隙間時間を利用して、1日何回かに分けて行っても構いません。
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