牛車腎気丸 ごしゃじんきがん【第2類医薬品】
牛車腎気丸
ごしゃじんきがん
15日分 3,300円 税込3630円 店頭にて
販売
牛車腎気丸
ごしゃじんきがん
30日分 6,300円 税込6930円
八味地黄丸に牛膝と車前子を加えた、下肢の浮腫やしびれを除く処方です。尿量減少があり、疲れやすくて四肢が冷えやすい人の腰痛、下肢痛、むくみ、しびれ、排尿困難、頻尿、かゆみ、老人のかすみ目に効果があります。 夜間頻尿、尿は無色透明、下半身のだるさ、つまずきやすいような症状が見られる方におすすめです。

特徴

排尿困難、むくみ、手足の冷えを改善します

中国・宋時代の漢方書「済生方」水腫門項に記載されている薬方です。加味腎気丸とも言われ、腎気を強める薬剤として知られている「八味地黄丸」に牛膝と車前子を加えたものです。
従って効能・効果は八味地黄丸と同じですが、特に尿量減少の甚だしいもの、腰痛、下肢の浮腫の強いものに用いられます。

牛車腎気丸の処方構成

地黄 山茱萸 山薬 牡丹皮 沢潟 茯苓 桂皮 附子末 牛膝 車前子

牛車腎気丸は、地黄、山茱萸、山薬の三つの補薬(三補)が中心です。三補の働きは腎陰や腎性を補い、発育の促進、老化の抑制を助けます。また、三瀉と呼ばれる牡丹皮・沢潟・茯苓は、余分な熱や水滞を取り除いて補薬の効果を高め、処方全体の薬性を穏やかにし、長期服用を可能にしています。また、温陽散寒の附子、桂皮が血行を促進して全身を温め、特に腰から下が冷えて重だるい、腰痛など腎陽虚の症状を除く作用があります。これら八味地黄丸の処方に、牛膝・車前子を加え利水作用をさらに強力にした処方になっています。

効能・効果

体力中等度以下で、疲れやすくて、四肢が冷えやすく尿量減少し、むくみがあり、ときに口渇があるものの次の諸症:下肢痛、腰痛、しびれ、高齢者のかすみ目、かゆみ、排尿困難、頻尿、むくみ、高血圧に伴う随伴症状の改善(肩こり、頭重、耳鳴り)

用法・用量

次の量を1日3回食前又は食間に水又は白湯にて服用。

年齢 1回量 1日服用回数
成人(15才以上) 1包 3回
15才未満7才以上 2/3包
7才未満4才以上 1/2包
4才未満2才以上 1/3包
2才未満 1/4包

用法・用量に関連する注意

小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させてください。
1歳未満の乳児には、医師の診療を受けさせることを優先し、止むを得ない場合にのみ服用させてください。

成分

【成分】本剤3包(4.5g)中
牛車腎気丸エキス 2,400mg(ジオウ2.5g、サンシュユ・サンヤク・タクシャ・ブクリョウ・ボタンピ・ゴシツ・シャゼンシ各1.5g、ケイヒ0.5g、ブシ末0.25g)

添加物:ヒドロキシプロピルセルロース、乳糖

牛車腎気丸 中医学解説
【効能】 温補腎陽・利水
【適応症】 腎陽虚の症状に浮腫、尿量減少をあらわすもの、いわゆる腎虚水泛の代表処方です。牛車腎気丸は八味地黄丸に牛膝、車前子を加えた処方で、風寒湿に犯されて、気血の流れが滞ることによって起こるしびれや痛みを治し、膀胱の湿熱を涼して水分の巡行をうながし、小便の出しぶりや下肢のむくみが一段と激しいものに用います。
【類方比較】 六味丸:皮膚はやや乾燥し、虚熱の症状があります。(腎陰虚)
八味地黄丸:足腰の冷え、脱力、臍下不仁は同様ですが、排尿異常とくに夜間頻尿、浮腫などが幾分軽度です。(腎陽虚)
牛車腎気丸と八味地黄丸との違いは、特に腰痛や膝の痛みが激しく、更に尿量減少、下肢のむくみの強いものに牛車腎気丸を用います。
【解説】

地黄・山茱萸・山薬は、豊富な栄養物を含み、体を栄養、滋潤し抵抗力を高め異化作用を抑えます(滋補肝腎)。

地黄は強心、抗アナフィラキシー作用を、山茱萸は白血球増加、止汗、遺精をとめる作用を、山薬は消化吸収促進、止瀉作用をもちます。

牡丹皮は、解熱、抗菌に働き、牡丹皮・沢瀉は、自律神経系の興奮をしずめます(清虚熱)。

茯苓・沢瀉は、組織中や消化管内の水分を血中に吸収して利尿作用によって除きます(利湿)。

地黄・山薬・沢瀉は血糖降下作用をもち、山茱萸・沢瀉・牡丹皮は、血圧降下作用をもちます。

牡丹皮は、血管拡張により血行を促進し、子宮粘膜を充血させ、月経を正常化します。

桂枝・附子は、循環を促進して体をあたため、全身諸機能を高めます(温補腎陽)。

附子は、下垂体一腎皮質の興奮、性機能促進などの作用をもち、沢瀉・茯苓などの利尿作用が附子・桂枝の補助により強められ、牛膝・車前子は、補益性をもち利尿を強めると共に牛膝は血管拡張により血行を促進し、とくに下半身の循環を改善します。

【治療の現場から】 冷えが強いときは、人参湯などを合方します
元気がない、疲れやすい、食欲不振などの気虚をともなうときは、六君子湯・人参湯・補中益気湯などを合方します。
浮腫が強ければ、当帰芍薬散などを合方します
上腹部に比べ下腹部が軟弱無力の状態(臍下不仁)

腰痛倦怠・下半身が弱い

夜間排尿

※この目標に必ずしもこだわる必要はありません。
【臨床応用】 慢性腎炎、ネフローゼ症候群、うっ血性心不全、老人、その他の慢性疾患で腎陽虚の水腫を呈するもの
添付文書