抑肝散加陳皮半夏 
よくかんさんかちんぴはんげ【第2類医薬品】
抑肝散加
陳皮半夏
よくかんさんか
ちんぴはんげ
15日分 4,350円 税込4785円 店頭にて
販売
抑肝散加
陳皮半夏
よくかんさんか
ちんぴはんげ
30日分 8,400円 税込9240円
●「抑肝散加陳皮半夏」は、漢方の古典といわれる中国の医書『保嬰撮要[ホエイサツヨウ]』に収載され、「抑肝散」という元々小児の癇、ひきつけに用いられている処方に、我が国での使用経験から半夏と陳皮という生薬を加えて、成人にも適応するよう工夫された薬方です。
●神経がたかぶるものの神経症、不眠症、小児夜泣き、小児疳症に効果があります。

神経が高ぶっていらだちやすい方向けの漢方薬「抑肝散加陳皮半夏」

漢方では、「肝」という考え方があり、文字通りの「肝臓」という意味だけでなく、精神や自律神経の機能・はたらきも含めた幅広い概念として考えています。「肝が高ぶる」とは、精神が高ぶることであり、怒りやイライラが現れます。また、「血(けつ)」が不足していると、ストレスに対する耐性が低くなってしまいます。そのため、「血」の不足で、ちょっとしたストレスでも「気」のめぐりが阻害され、イライラ、怒りっぽい、などの症状が出てしまいます。とくに、「気」のめぐりが悪く、その怒りが強い場合は、いわゆる「感情を抑えられない、物に当たる・・・」といった行動をとってしまうことがあります。

「抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)」は、「肝」の高ぶりを抑える作用のある「抑肝散」に「陳皮」と「半夏」を加えた処方。自律神経系の調節をしながら「血(けつ)」を補い、「気」「血(けつ)」をめぐらせる処方です。「肝」の高ぶりを抑え、「気」「血」のめぐりがよくなった結果、ストレスによる身体への影響を除き、自律神経を安定させる作用があります。さらに、胃腸のはたらきを整える作用があるため、胃腸の弱い方でも服用しやすい処方です。また、一般に「抑肝散」「抑肝散加陳皮半夏」は、母子同服、すなわち親子で飲める薬として用いられてきました。

※母子同服…夜泣きなどがある神経過敏なお子様の場合、母親も神経過敏なことも多く、それが影響しているという考え方のもと、母親にも薬を服用してもらうという考えのこと

効能・効果

体力中等度をめやすとして、やや消化器が弱く、神経がたかぶり、怒りやすい、イライラなどがあるものの次の諸症:神経症、不眠症、小児夜泣き、小児疳症(神経過敏)、更年期障害、血の道症、歯ぎしり
(注)「血の道症」とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状を指します。

配合生薬(成分・分量)

成人1日の服用量3包(1包1.5g)中
抑肝散加陳皮半夏エキス粉末…2300mg
(トウキ・センキュウ・チンピ・チョウトウコウ各1.5g、ソウジュツ・ブクリョウ各2.0g、ハンゲ2.5g、サイコ1.0g、カンゾウ0.75gより抽出。)
添加物として、ヒドロキシプロピルセルロース、乳糖を含有する。

成分に関連する注意

本剤は天然物(生薬)のエキスを用いていますので、顆粒の色が多少異なることがあります。

用法・用量

次の量を1日3回食前又は食間に水又は白湯にて服用。

年齢 1回量 1日服用回数
成人(15才以上) 1包 3回
15才未満7才以上 2/3包
7才未満5才以上 1/2包
4才未満2才以上 1/3包
2才未満 1/4包以下

用法・用量に関連する注意

(1)小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させてください。
(2)1才未満の乳児には、医師の診療を受けさせることを優先し、止むを得ない場合にのみ服用させてください。

注意点・副作用

使用上の注意
  • してはいけないこと
    (守らないと現在の症状が悪化したり、副作用が起こりやすくなります)
    次の人は服用しないでください
    生後3カ月未満の乳児
  • 相談すること
    1. 次の人は服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください
      (1)医師の治療を受けている人
      (2)妊婦又は妊娠していると思われる人
      (3)胃腸の弱い人
      (4)今までに薬などにより発疹・発赤、かゆみ等を起こしたことがある人
    2. 服用後、次の症状があらわれた場合は副作用の可能性があるので、直ちに服用を中止し、この文書を持って医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください
      皮膚 発疹・発赤、かゆみ
    3. 1カ月位(小児夜泣きに服用する場合には1週間位)服用しても症状がよくならない場合は服用を中止し、この文書を持って医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください

保管方法

(1)直射日光の当たらない湿気の少ない涼しい所に保管してください。
(2)小児の手の届かない所に保管してください。
(3)他の容器に入れ替えないでください。(誤用の原因になったり品質が変わります。)
(4)使用期限のすぎた商品は、服用しないでください。
(5)1包を分割した残りを服用する時は、袋の口を折り返して保管し、2日をすぎた場合には服用しないでください。

抑肝散加陳皮半夏 中医学解説
【効能】 平肝熄風・補気血
【適応症】 抑肝散加陳皮半夏は、気血両虚の肝陽化風に用いる漢方処方です。
気血両虚の肝陽化風の代表処方です。いらいら・怒りっぽい・頭痛・めまい感・眠りが浅い・頭のふらつき・筋肉の痙攣やひきつり・手足のふるえなどの肝陽化風の症候に、元気がない・疲れやすい・食が細い・皮膚につやがない・動悸。しびれ感などの気血両虚をともなうものに使用します。舌質はやや紅・舌苔は白
【類方比較】 釣藤散:「脾胃気虚・痰湿の肝陽化風」に対して作られた処方
【解説】

熄風の釣藤と疏肝の柴胡・川?及び柔肝の当帰で、肝気をのびやかにして、痙攣をしずめます。健脾の蒼朮・茯苓・甘草の配合は、肝血の化源を充たし肝気を柔軟にします。

ふるえ・ふらつきなどの風動の症候がつよければ、桂枝加竜骨牡蠣湯と合方します。
肝気鬱結の症状やけいれんが明らかなら芍薬甘草湯や香蘇散などを合方します。

いらいら・のぼせ・ほてりなどの肝火の症状がつよければ加味逍遥散や三黄瀉心湯などと合方します。

血虚が明らかな場合は、四物湯を合方します。

気虚が明らかな場合は、補中益気湯を合方します。

【治療の現場から】 原著の方後に「母子同服」とあることから子供に使う場合は母親」の影響が強いことがわかります。子供・高齢者に使用する場合は良いのですが、成人に用いる場合には用量を多くする必要がある事もあります
まぶたの痙攣を訴える人が多い
腹直筋の緊張や左腹直筋に動悸を感じる人が多い

※この目標に必ずしもこだわる必要はありません。
【臨床応用】 乳幼児のひきつけ・夜驚証・チック・自律神経失調症・神経症・更年期障害・脳血管障害・高血圧症・不眠症・パーキンソン病などで、気血両虚・肝陽化風を呈するもの。
添付文書