基本的には食欲がなく虚弱で、貧血し、疲れやすく、冷え症の方に。 構成生薬は胃腸を補うものが中心で、胃腸の機能低下を補い、湿を除き、気の流れをよくします。 食欲不振・下痢・浮腫・帯下に応用されます。 |
特徴
食欲がなくて、食べると下痢をする人の胃腸疾患を改善します
漢方の古典といわれる中国の医書「和剤局方」に収載されている薬方です。
胃腸が弱く、食欲不振、食べるとお腹が張る、下痢しやすい、元気がないなどの胃腸機能の低下した症状と、口唇が赤くて乾燥したり、口は渇くが水分は欲しくない、手足がほてるなどの、体(特に胃腸)の栄養や潤いが不足した症状が重なった胃腸疾患によく用いられます。
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参苓白朮散の処方構成
人参 山薬 白朮 茯苓 ヨクイニン 扁豆 蓮肉 桔梗 縮砂 甘草
胃腸の働きが低下すると、水分代謝が悪くなるために疲れやすい・軟便傾向などの症状が起こります。
人参・山薬・蓮肉で弱った胃腸の活動力を高めます。縮砂・桔梗で消化器の動きをよくします。白朮・茯苓・ヨク苡仁・白扁豆で胃腸内に停滞している水分を尿として流すことによって、水分代謝をよくしながら症状を緩和します。
効能
体力虚弱で、胃腸が弱く、痩せて顔色が悪く、食欲がなく下痢が続く傾向があるものの次の諸症:食欲不振、慢性下痢、病後の体力低下、疲労倦怠、消化不良、慢性胃腸炎
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用法・用量
次の量を1日3回食前又は食間に水又は白湯にて服用。
年齢 |
1回量 |
1日服用回数 |
成人(15才以上) |
1包 |
3回 |
15才未満7才以上 |
2/3包 |
7才未満4才以上 |
1/2包 |
4才未満2才以上 |
1/3包 |
2才未満 |
服用しないこと |
用法・用量に関連する注意
小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させてください。
成分
【成分】本剤3包(4.5g)中
参苓白朮散料エキス粉末 3,400mg(ニンジン・サンヤク各1.5g、ビャクジュツ・ブクリョウ各2.0g、ヨクイニン2.5g、ヘンズ・レンニク・キキョウ・シュクシャ各1.0g、カンゾウ0.75g)
添加物:ヒドロキシプロピルセルロース、乳糖、ステアリン酸Mg
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下痢に使用する他の処方との使い分け
参苓白朮散・・・食欲がなく、食べると下痢する方。水の代謝が悪い。
補中益気湯・・・元気がなく血色が悪い。消化器は力がなく下垂している。手足が倦怠。
六君子湯・・・・食べると眠くなり、体力がない。吐き気を感じる。
五苓散・・・・・むくんで、口渇し、小便の出が悪い人の下痢に。
人参湯・・・・・お腹が冷えて嘔吐や下痢症状。尿量多く、色はうすい。
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【効能】 |
補気健脾、滋補脾陰、滲湿止瀉 |
【適応症】 |
【脾気陰両虚の代表処方です】
食欲不振、食べると腹が脹る・顔色が萎黄・口唇の乾燥・口乾・手足のほてり・元気がない・疲れ易い・便秘あるいは泥状便・舌質淡から紅で胖・舌苔が少ないあるいは剥落・脈は細やや数で無力などの症状を言います。
泥状〜水様便・腹満・悪心・多痰・咳嗽・白色帯下・下肢浮腫・舌質が淡胖・舌苔が白膩・脈が沈細で無力など。脾虚で運化が低下した状態であり、水穀の精微の産生が不足した為に脾陰が虚す場合、水湿の運化が不足して湿が停滞し痰を生じる場合の両面があらわれます。
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【類方比較】 |
:胃腸虚弱で顔色が悪く、心窩部(しんかぶ・みぞおち)の振水音が著明で、胃部膨満感、食欲不振、倦怠感、手足の冷えがあり、腹痛をあまり訴えない場合に用います。(脾胃気虚) |
【解説】 |
参苓白朮散は、脾気・脾陰・脾湿・脾虚に対応した配合になっています。
益気健脾の四君子湯(人参・白朮・茯苓・炙甘草)が基本で、脾運を健常にすることにより水穀の精微と水湿の運化を強めます。
甘平・甘淡の山薬・蓮子・白扁豆・?苡仁は脾陰を滋潤し、脾気の健運を補助します。理気和胃の縮砂(砂仁)は胃の受納と降濁を維護し脾気の通運を促し、補益薬の膩滞を防ぎ、桔梗は戴薬上行の引経薬でありであり、清気を上昇させる働きもあります。
人参・山薬・蓮子が益気健脾に、白朮・茯苓・?苡仁・白扁豆が健脾・利水滲湿に山薬・蓮子が収渋止瀉に、桔梗が昇清に、陳皮・縮砂が理気化痰に、炙甘草が諸薬の調和に、それぞれ働くので、湿盛による諸症状とくに泥状〜水様便に有効です。
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【治療の現場から】 |
★情緒の変動により体調が悪化するときは、などを合方します。 |
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腹部が軟弱
軽度の腹痛
下痢・軟便傾向
※この目標に必ずしもこだわる必要はありません。 |
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【臨床応用】 |
消化不良症・慢性胃腸炎・貧血症・ネフロ−ゼ症候群・慢性胃腸炎・その他の慢性疾患で脾胃気虚・脾陰虚の軟便〜水様便を呈するものに使用します |
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