特徴
痔の治療といえば乙字湯
大便が硬くて便秘傾向のある方の痔疾患に用いられる代表的な薬方です。
江戸時代「ぢ」疾専門の漢方処方として創製され、その後処方内容を日本人に合うよう改良され、今日まで広く使用されています。便秘を整え、血液循環をよくしてうっ血をとり、痔核、切れ痔の疹痛、出血を止める作用があります。
特に大便が硬くて便秘傾向の方の痔核(いぼ痔)、切れ痔に効果があります。
乙字湯の処方構成
当帰 柴胡 黄ゴン 甘草 升麻 大黄
肝機能が低下すると、門脈で血液循環不良を起こし、肛門部の血圧が高くなります。また、便秘は直腸部の静脈の血液循環が悪化させ、うっ血を生じ痔の症状を引き起こします。
柴胡は肝機能を高める働きがあり、柴胡・黄ゴンは熱を冷まします。当帰・甘草は体を温め血液の働きを増進し、大黄は便通をよくすることで血液循環をよくしうっ血を取り症状を緩和します。升麻は解毒・鎮痛・止血の作用があります。
効能・効果
体力中等度以上で、大便がかたく、便秘傾向のあるものの次の諸症:痔核(いぼ痔)、きれ痔、便秘、軽度の脱肛