肌に炎症があり、赤くなりやすい方に効果的な漢方薬「黄連解毒湯」
口内炎ができるのは、体の上部に熱がこもっているからだと、漢方では考えます。たとえば、刺激物や脂っこいもの、甘いものをとり過ぎると、余分な熱が発生し、体の上部に熱がこもってしまいます。余分な熱は炎症を引き起こすため、口内炎や赤みのある皮膚炎、鼻血などの原因になります。「黄連解毒湯(おうれんげどくとう)」は、胃炎などの炎症、鼻出血、高血圧、動悸、皮膚のかゆみなどを鎮めるほか、体を冷やして熱をとり、炎症を鎮める作用で、口内炎や皮膚炎を緩和します。
また、「黄連解毒湯」は、一般に比較的体力があり、のぼせ気味で、イライラする傾向があるような方に向く医薬品です。
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効能・効果
体力中等度以上で、のぼせぎみで顔色赤く、いらいらして落ち着かない傾向のあるものの次の諸症:鼻出血、不眠症、神経症、胃炎、二日酔、血の道症、めまい、動悸、更年期障害、湿疹・皮膚炎、皮膚のかゆみ、口内炎
(注)「血の道症」とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状を指します。
配合生薬(成分・分量)
成人1日の服用量3包(1包1.0g)中
黄連解毒湯エキス(1/2量)…700mg
(オウゴン1.5g、サンシシ1.0g、オウレン・オウバク各0.75gより抽出。)
添加物として、ヒドロキシプロピルセルロース、乳糖を含有する。
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成分に関連する注意
本剤は天然物(生薬)のエキスを用いていますので、顆粒の色が多少異なることがあります。
用法・用量
次の量を1日3回食前又は食間に水又は白湯にて服用。
年齢 |
1回量 |
1日服用回数 |
成人(15才以上) |
1包 |
3回 |
15才未満7才以上 |
2/3包 |
7才未満5才以上 |
1/2包 |
4才未満2才以上 |
1/3包 |
2才未満 |
1/4包 |
用法・用量に関連する注意
(1)小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させてください。
(2)1才未満の幼児には、医師の診療を受けさせることを優先し、止むを得ない場合にのみ服用させてください。
注意点・副作用
使用上の注意
- してはいけないこと
(守らないと現在の症状が悪化したり、副作用が起こりやすくなります)
次の人は服用しないでください
生後3カ月未満の乳児
- 相談すること
- 次の人は服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください
(1)医師の治療を受けている人
(2)妊婦又は妊娠していると思われる人
(3)体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)
- 服用後、次の症状があらわれた場合は副作用の可能性があるので、直ちに服用を中止し、この文書を持って医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください
間質性肺炎 |
階段を上ったり、少し無理をしたりすると息切れがする・息苦しくなる、空せき、発熱等がみられ、これらが急にあらわれたり、持続したりする。 |
肝機能障害 |
発熱、かゆみ、発疹、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)、褐色尿、全身のだるさ、食欲不振等があらわれる。 |
腸間膜静脈硬化症 |
長期服用により、腹痛、下痢、便秘、腹部膨満等が繰り返しあらわれる。 |
- 1カ月位(鼻出血、二日酔に服用する場合は5〜6回)服用しても症状がよくならない場合は服用を中止し、この文書を持って医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください
- 長期連用する場合には、医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください
保管方法
(1)直射日光の当たらない湿気の少ない涼しい所に保管してください。
(2)小児の手の届かない所に保管してください。
(3)他の容器に入れ替えないでください。(誤用の原因になったり品質が変わります。)
(4)使用期限のすぎた商品は、服用しないでください。
(5)1包を分割した残りを服用する時は、袋の口を折り返して保管してください。なお、2日をすぎた場合には服用しないでください。
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よくある質問
Q 結構イライラすることが多いのですが、「「クラシエ」漢方黄連解毒湯エキス顆粒」という製品(処方)は、服用して効果が出るまでにどれくらいの時間がかかりますか?
A 薬の効果が出るまでの期間は、体質や症状によりさまざまです。添付文書の情報をよく読んで、用法・用量を守ってお飲みいただき、1カ月位(鼻出血、二日酔に服用する場合は5〜6回)服用しても症状が良くならない場合は、服用を中止し、医師、薬剤師または登録販売者にご相談ください。
Q 妊娠中や授乳中でも服用できますか? この薬(処方)を使用する際に注意することがあれば教えてください。
A 薬の種類、服用期間、お母さん及び赤ちゃんの状態などを総合的に考慮する必要があります。本剤の服用前に医師、薬剤師または登録販売者にご相談ください。
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黄連(オウレン)、黄柏(オウバク)、黄ゴン(オウゴン)、山梔子(サンシシ)はすべて消炎・解熱作用をもち、炎症や脳の充血、興奮性の増大、および自律神経系の興奮、あるいは代謝亢進状態を改善する。主薬の黄連・黄ゴンは炎症充血を去り、心下(みぞおち)のつかえと不安あるいは肺部の炎症を治し、山梔子・黄柏は消炎に利尿をかね、黄連・黄ゴンと協力する。個々には、黄連は中焦(心や脾胃)の熱、黄?は上焦(肺)の熱、黄柏は下焦(腎・膀胱)の熱を、山梔子は三焦(全体)の熱をさまし炎症をとる。薬性がすべて寒で、虚弱な冷え症タイプには適さない。 |
このタイプの方は、顔はのぼせて赤く、下肢にも冷えは感じない(実熱)。熱によるイライラや精神不安があり、落ち着きがないような感じを与える。からだの熱が旺盛な方に用いられ、疲労感は訴えない。 |
◆黄連解毒湯は、全身の「実熱」による諸症状を改善する。
◆実熱とは炎症と充血を伴う諸症を意味する。
◆赤ら顔、のぼせ、ときに鼻血などの出血傾向があり、精神不安、不眠、イライラなどの精神神経症状や胃部のつかえ、皮膚のカユミが強い場合に用いられる。
◆黄ゴン・黄連が主薬となったゴン連剤のひとつで、心下痞(みぞおちのつかえ)の腹証を呈する。
◆顔がのぼせ、熱感があり、落ち着かないタイプの胃腸・循環器・皮膚疾患ほか神経症に用いられる。
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