血流をよくしてイライラや不安感を鎮める
漢方では、血行障害やうっ血など、「血(けつ)」※の巡りが悪くなった状態を「オ血(おけつ)」という概念でとらえています。「桃核承気湯」は体力が中等度以上でがっちりタイプの、「実証」の人に対する「オ血」を改善する代表的な「駆オ血剤(くおけつざい)」です。
のぼせ気味、便秘がちで、「気」という体をめぐるエネルギーが違った方向に流れる「気逆(きぎゃく)」をともなう人に向きます。月経不順や月経困難症、月経痛、月経時や産後の精神不安のほか、腰痛、痔、打撲などに用いられます。高血圧の随伴症状の頭痛・肩こり・めまいの改善にも用いられます。
※「気・血・水」は、不調の原因を探るためのものさしです。
漢方では、私たちの体は「気・血・水」の3つの要素が体内をうまく巡ることによって、健康が維持されていて、これらが不足したり、滞ったり、偏ったりしたときに、不調や病気、障害が起きてくると考えられています。
「気(き)」:目には見えない生命エネルギーのこと。「元気」の気、「気力」の気、「気合い」の気。「自律神経(体の機能を調整する神経)」の働きに近いとされています。
「血(けつ)」:全身を巡ってさまざまな組織に栄養を与えます。主に血液を指します。